神奈川県・矢部健三
我が家の食育を語る前に、自戒を込めてまず僕の子供時代のお話をしましょう。
しいたけ、ナス、カボチャは大嫌い。ホウレンソウのお浸しはえぐみが嫌だし、イカを似たら匂いが苦手。魚で食べられるのは、お刺身とサケなどの切り身ぐらいといった風に、好き嫌いの多い子供でした。甘やかされて育ち、こんだてに文句を言ったり注文を付けたりすることもしばしば。今から振り返ると、我ながらずいぶんわがままな子供でした。
もちろん、大人になってからは何でもおいしく食べられるようになりました。一人暮らしも経験し、食事を作る大変さは十分経験しましたので、妻と一緒になるときには心の中で誓いました。人の作ってくれた食事には決して文句は言うまいと。そうすれば、きっと生まれてくる子供は好き嫌いも言わずに何でも食べられるようになるのでは?と思って。
1997年の夏に第1子が生まれました。育休を取り子育てにチャレンジ。小さいころからいろいろな味に慣れさせるように心がけ、離乳食を食べる時期には、みじん切りにしたいろいろな野菜を入れたおかゆを作って食べさせたりもしました。育休が終わってからは、食事作りはほとんど妻任せですが、妻は妻で安全・安心を第1に生協などから食材を購入して、和食を中心においしい食事を作ってくれました。その甲斐あってか、新はなんでもモリモリ食べる子になり、余所でごちそうになるときも、「気持ちいいぐらいなんでも食べてくれるのね!」と褒められます。そんなときは、小さいころからの食育がよかったんだな、とニンマリ。
ところが…
2008年の春に生まれた第3子はというと、同じようなものを食べさせ、同じように育てているつもりなのですが、食卓に座るや否や、「あたしお野菜嫌い!」と絶叫。少しでも緑が目に入ると、「これ取って!!」と泣き叫びます。4歳になった今でも、食べられるのはパンとごはん、それにお芋とお肉。とても偏食です。
我が家の食育はどこかで間違ってしまったの
でしょうか。それとも、僕が子どものころに好き嫌いを言い過ぎた祟りなのでしょうか?
「かるがも新聞」(2012年6月号)
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最終更新日: 2015年8月28日(金)
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