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バリアフリーは大嫌い!

神奈川県総合リハビリテーションセンター

七沢ライトホーム    矢部 健三    

 

Ⅰ.バリアフリーが持つ五つの問題点

①スティグマとしての機能

「障害者用」という特別な施設・設備を使用させられ続けることで、本人も周囲の人も障害者を「特別な存在」としてとらえてしまう。

②ステレオタイプ的な障害者像

「障害者用」とされる施設・設備の多くが、「障害者は行動に時間がかかる」「視覚障害者は点字が読める」といった先入観に基づいている。

③本質的な機能の陰蔽

施設・設備の持っている特性を説明せず、安易に「障害者用」としてくくってしまい、障害のない人にも有用な施設・設備であることを知らせていない。

④バリアの再生産機能

障害者だけが使い障害のない人には恩恵のない施設・設備であると日常的に印象づけられ、多くの人に「私たちには関係のないもの」と思わせている。

⑤免罪符としての機能

利便性や安全性が不十分でもある程度の施設・設備があれば責任を果たしたとして、「障害者に配慮した」とか「バリアフリー」とか語れてしまう。

 

Ⅱ.キーワードはユニバーサルデザイン

ロン・メイス氏(アメリカの建築家・工業デザイナー)が提唱

 「全ての年齢や能力の人々に対し、可能な限り最大限に使いやすい製品や環境のデザイン」

①バリアフリーとユニバーサル・デザインの本質的な違い

 

バリアフリー

ユニバーサルデザイン

対象

高齢者・障害者に焦点。

障害の有無ではなく人間の持つ多様なニーズに着目。

方法

特別な機器・施設で障壁を除去。

特別扱いではない方法でバリアをなくしみんなが自由に使える環境を整備。

経験

利用時の経験の質を軽視。

利用に伴う経験の質も重視。

②ユニバーサル・デザインの性質

・インビジブル(目立たない)

・アジャスタブル(調節可能)とアダプタブル(改造、付加可能)

・オルタナティブ(選択肢)

③プロセスとしてのユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインは、完成した規格があるわけではなく、よりよいデザインを目指して改良を続けるプロセスを重視している。

参画

多様なニーズを把握するために多様な人が参画

確認

設計や試作の段階で第3者が妥当性を確認

柔軟性

必要に応じてデザインやスケジュールを修正・変更

評価

目的の達成度・ニーズの反映度を事後に評価

蓄積

評価情報の蓄積・共有・公開

④人的援助の重要性

高齢者や障害者も自力でできるようにという視点だけでなく、利便性や安全性の十分な確保という目的のために、必要なマンパワーの提供が重要。

 

Ⅲ.ユニバーサルデザインを実現する鍵

①努力規定から義務規定へ

よい技術や設備があってもそれを普及・定着させるには、市民の理解や合意では不十分で、法律面で努力規定にとどめるのではなく、違反したときの罰則を含む義務規定を作ることが必要。

②包括的な差別禁止の導入

ユニバーサルデザインを法的に義務づけることで施設や設備、サービスの整備は進むかも知れないが、実際の利用に当たって差別を受けないとも限らず、そのような差別を包括的に禁止する法律の整備も必要。

 

 

〔参考資料〕

川内美彦「ユニバーサル・デザイン-バリアフリーへの問いかけ」、学芸出版社、2001年4月

福島 智「盲ろう者とIT-ヘレン・ケラーに使ってほしかった電子メール」、現代書館、季刊福祉労働 92号、2001年9月

村田拓司「視覚障害者のIT時代」(同情)

 

 

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最終更新日: 20091119()

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