準備 MicrosoftWordの環境設定
○過剰サービスの数々
画面読みソフトでMicrosoft Wordを使うには、初期設定のままだととても使いづらい機能があります。「Wordのおせっかい機能」がそれです。
機種と結語では、「拝啓」や「前略」と入力して改行すると、「敬具」や「早々」が自動的に書き込まれます。また、「記」と打って改行すると、「記」の字が行の中央に寄せられ、次の行に「以上」が自動的に書き込まれます。
個条書きの入力では、行頭で「(1)」や「@」を入力して、文章を書いてから改行すると、次の行頭は頼まなくても「(2)」や「A」で始めてくれます。しかもこの箇条書きの番号にはカーソル(カレット)を移動させ編集することができません。
段落では、最初の文字を1字下げにしますが、ワードだと、最初に1字下げすると、改行するたびに、頼まなくとも行頭を1字下げしてくれます。
記号では、「−」を3つ以上入れ、改行すると、横いっぱいに罫線が引かれます。「=」ですれば、二重線になります。また、「+」と「−」を組み合わせて、
+−−−+−−−+
という具合に、三つの「+」の間を三つ以上の「−」で結んで、改行すると、くっついた二つの箱に早変わりです。応用すれば、簡単に表を作れます。
○おせっかい機能を外す(Microsoft Wordの場合)
これらの機能はとても便利な場合もありますが、時に過剰な対応はイライラやミスの素にもなります。特に、パソコンを初めて学習する視覚障害者がMicrosoft Wordを使用する場合には、予めこの「おせっかい機能」を停止しておくことをお勧めします。
Microsoft Office Word 2007では、初期設定の変更に、リボンツールバーの「Officeボタン」にある「Wordのオプション」を使います。また、 Microsoft Office Word 2010や2013では、初期設定の変更に、リボンツールバーの「Fileタブ」にある「Wordのオプション」を使います。
「Wordのオプション」のダイアログボックスが開いたら、「文章校正Tab」で、「オートコレクトのオプション」をクリックします。
「オートコレクト」のダイアログボックスが開いたら、「入力オートフォーマットTab」のリストボックスで、各設定項目のチェックを、必要に応じて外しましょう。チェックのON/OFFは、Spaceで変更できます。
入力中に自動で変更する項目
設定項目 |
説明 |
インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する |
「http://」などで始まるURLを入力すると、自動的にそのページへのリンクに変更してくれる。 |
行の始まりのスペースを字下げに変更する |
最初に1字下げすると、改行するたびに、行頭を1字下げしてくれる。 |
入力中に自動で書式設定する項目
設定項目 |
説明 |
箇条書き(行頭文字) |
行頭で「○」や「※」などを入力して、文章を書いてから改行すると、次の行頭も「○」や「※」で始めてくれる。 |
箇条書き(段落番号) |
行頭で「(1)」や「@」などを入力して、文章を書いてから改行すると、次の行頭は「(2)」や「A」で始めてくれる。 |
罫線 |
「−」や「=」を3つ以上入れ、改行すると、横いっぱいに罫線が引かれます。 |
表 |
「+」の間を三つ以上の「−」で結んで、改行すると、表を作れます。 |
日付スタイル |
日付を入力して改行すると、自動的に右寄せしてくれます。 |
結語のスタイル |
「敬具」や「早々」などの結語を入力して改行すると、自動的に右寄せしてくれます。 |
入力中に自動で行う処理
設定項目 |
説明 |
頭語に対応する結語を挿入する |
「拝啓」や「前略」と入力して改行すると、「敬具」や「早々」が自動的に書き込まれます。 |
'記' などに対応する '以上' を挿入する |
「記」と入力して改行すると、「記」の字が行の中央に寄せられ、次の行に「以上」が自動的に書き込まれます。 |
あいさつ文を入力したらウィザードを起動する |
「拝啓」を入力すると、時候のあいさつの用例の案内を表示してくれます。 |